2023.06.13
信州から世界へ――。
サンプロは、高い目標に向かってチャレンジを続ける企業です。
だからこそ、アスリートの取り組みに共鳴することも多々。
この企画では、信州のスポーツに特化したフリーペーパー「スポカラ」を発刊している女性起業家・鶴見 由加里社長がインタビュアーを務め、若くエナジーにあふれた地元出身アスリートなどと対談していきます。
記念すべき第1回は、プロゴルファー 大久保克海選手です。
地元を愛し 信州から世界へ飛躍を誓う
鶴見 まずはプロになって、何か身の回りに変化などはありましたか?
大久保 プロになって一番変わったのは、いろんな方に声かけてもらえることが増えたことですね。地元のメディアにも少し載せてもらって、そこで広まっていったというか。地元の人にも声をかけてもらうことが多くなって、そこはすごくうれしかったですね。励みになります。
鶴見 このコロナ禍で一気にゴルフ人口も増えましたよね。それを目の当たりにしてきたと思うんですけど、そこの部分はどう感じていますか?
大久保 個人的にはゴルフ人口が増えていくのはすごくうれしいことです。これをきっかけにジュニアゴルファーも増えていってくれれば理想的ですね。子どもたちに教えるような活動も、今後できればいいかなとは思い描いています。
鶴見 高校、大学と県外に出てプレーしていましたけど、卒業後は地元の長野県に戻ってきましたよね。長野県で活動したいと思った理由はどんなところにありますか?
大久保 何よりも、長野県を大好きだったことが大きいです。地元で活躍したいという気持ちがまずありましたし、大学を卒業したら地元に戻ることを考えていました。ゴルフは年齢を問わないスポーツで、子どもからお年寄りまで楽しむことができて、年齢層に関係なくコミュニケーションを取れるのが魅力。地元で応援していただけることは本当にありがたいですし、県外では得られない支えだと感じています。
鶴見 長野県だと冬は雪に閉ざされてしまいますし、難しい部分もあるかもしれませんよね。でもここからプロとして、どんなマインドセットで活動していきたいと考えていますか?
大久保 確かに、マインドセットは高く持たなければ上に上がっていけません。実際に僕もプロテストに合格したのは4回目でしたが、最初の2回は「受かる」ことを目標に挑戦しました。でも「これではダメだ」と思ってトップ合格を目指して挑んだところ、合格することができました。そうした経験もあって、目標は高く持った方がいいと強く実感しています。
日本ツアーでまず1勝。そこから活躍して、さらに世界の4大メジャーを制覇できる選手になりたいと考えています。
鶴見 素晴らしいですね!失敗しても高い目線を持ち続けてチャレンジすることは、やっぱりどんな分野においても大切なんだなと思いました。ちなみに高校と大学では県外で経験を積んだのも大きかったんじゃないかと思います。どうでしたか?
大久保 関東での経験はすごく大きかったです。レベルが高かったので、もしその経験がなければ、今の自分はいないと思います。高校・大学時代は、「練習あるのみ」という雰囲気の中で取り組んでいましたけど、レベルが高い環境でゴルフについての議論が活発でしたね。ゴルフに関することを常に考えて生活していた…という感じです。
鶴見 周りもレベルの高い選手が多いでしょうし、ゴルフに対する情熱が強いんですよね。そういう中でも調子の良し悪しはどうしても出てくると思いますけど、ゴルフを嫌いになったりすることはありませんでしたか?
大久保 いや、嫌いになることは一度もありませんでしたね。もちろん調子が悪い時期もありましたが、そのときも「辞めたい」という気持ちはありませんでした。調子が悪かった時には、自分のスイングなどに関して知り合いのプロからアドバイスを受けて練習を重ねることで、徐々に調子を取り戻すことができました。
両親もあまり厳しく取り組ませるという感じではなく、「嫌なら辞めればいい」くらいのスタンスでした。だからこそなおさら「いや、絶対に辞めないし」という反骨心に繋がった部分もあるかもしれません(笑)。とは言いながらも、僕がやりたいゴルフを続けさせてくれてここまで来られたので、両親にはとても感謝しています。
鶴見 賞金を獲得したら恩返しをしたいですね!高い目標を掲げる中でも、突き詰めると結局は1日1日の泥くさい積み重ねが全てでもあると思います。その部分はどう意識しながら日々を送っていますか?
大久保 今は豊科カントリークラブに所属して仕事もあるんですが、その後の自分の時間を使ってできる限りの取り組みをしています。自分がどれだけできるかということが大切だと思っています。
マンガ「MAJOR」の主人公・茂野吾郎のセリフで好きなものがあります。ちょっと言葉遣いは強めなんですけど、「他人にやらされてた練習は努力とは言わねえだろ。
好きな野球(コト)して将来飯食ってこうなんて図々しい特権、与えられたことこなした程度で手に入るわけねえじゃん」という。それが心に響いて、スマホの待受にもしているんですよ。
自分がやりたいことで生活していくのは簡単ではありません。だからこそ、どれだけ努力できるかということを意識して練習に取り組んでいます。そうした日々の先に、大きな目標にたどり着ければいいと思っています。
鶴見 好きなことだからこそまっすぐ、どこまでも突き詰めてやっていきたいですよね。本当に貴重な話をしてもらって、大きな刺激になりました。これからも頑張ってください。全力で応援しています!
大久保 ありがとうございます!
取材協力: 株式会社スポカラ 鶴見 由加里さま
執筆・編集: 株式会社サンプロ Web編集部