健康は美味しく、楽しく! 寒天の歴史とヒミツ vol.5【伊那食品工業(かんてんぱぱ)様】 
2025.04.24
わたしの信州推しグルメ

健康は美味しく、楽しく! 寒天の歴史とヒミツ vol.5【伊那食品工業(かんてんぱぱ)様】 

こんにちは。
サンプロ広報の小淵です。

子どもの頃、「かんてんぱぱ」のゼリーやプリンを家族で作った――そんな記憶を持っている方も多いのではないでしょうか。

お湯で溶かして型に流し、冷やして固める。出来上がるまでのワクワク感と、ぷるんとした食感、ほんのり広がる甘み。キッチンに家族が集まって、「そろそろ固まったかな?」なんて覗き込んだあのひとときは、単なるデザート作りではなく、温かな記憶として心に残っている気がします。

その“思い出の味”のルーツを探るべく、今回私たちは「かんてんぱぱ」でおなじみの【伊那食品工業】さんを取材しました。長野県伊那市の自然豊かな地にあるこの会社では、寒天の歴史を守りつつ、新しい可能性を切り拓く取り組みが行われています。ぜひ最後までご覧ください。


【今回お話を伺った素敵な信州人】

総務人事部 課長
井東 広美 様

イチ推し商品は、「スープ用 糸寒天」。
あつあつのスープやお味噌汁にひとつまみ入れるだけ。不足しがちな食物繊維を手軽に摂ることができるので忙しい時も重宝しています!
スープだけでなく、水で戻してサラダや和え物にも使えるので、我が家の定番アイテムです。

研究開発部 主任
平林 美保 様

イチ推し商品は、平林さんが開発に携わった「こねるdeポン!」。振って、こねて、丸めるだけで「ポンデケージョ(ブラジル発祥のもちもちとしたチーズパン)」が作れます。ミックス粉の袋で調理が完成するので、洗い物が少なく後片付けが楽ちん♪ 使いやすさもにも工夫が凝らされています。

総務人事部
井出 安美 様

イチ推し商品は、「寒天グラノーラBAR」。1本あたり約5gの食物繊維が摂れる手軽なおやつです。オリジナル製法で作られた寒天のシリアルに、7種類のナッツ&果物をぎゅっと合わせて作られています。
寒天の効果でチョコレートが溶けにくく、手につかないのも嬉しいポイント♪ また、食べている時にボリボリと音がしないのでオフィスでも食べやすいです!

 

◎取材した場所
かんてんぱぱガーデン
住所:399-4432 長野県伊那市東春近木裏原10695−1
公式HP:https://www.kantenpp.co.jp/

 

日本発祥のミラクルフード!寒天の歴史
オブチ
オブチ
寒天っていつから食べられていた食品なんですか?
寒天はところてんを乾燥させることで出来る食品なのですが、ところてんが日本に伝来したのは奈良~平安時代頃。1200年以上も前のことでした。
寒天が生まれたのは、1658年頃(江戸時代)のある冬こと。京都の旅館『美濃屋』の主人・美濃屋太郎左衛門みのやたろうざえもんはところてんを外に置き忘れてしまいました。ところてんは夜中の寒さで凍り、日中の日差しで溶けて水分が抜け、気が付くと干物のようになっていました…。それを見た太郎左衛門はその干物のようになったところてんを煮溶かし、冷やし固めてみます。すると、いつものところてんより匂いがしない、透き通った、きれいなところてんが出来上がりました。この偶然の出来事から生まれたのが「寒天」です!
平林さん
平林さん

偶然誕生した寒天。日本発祥の伝統的な食品です。
江戸時代から寒天は主に和菓子を作るときに使われていたようです。寒天は当初、関西地方を中心に製造されていました。

それから180年ほどたった江戸時代中期。諏訪の行商人小林粂左衛門こばやしくめざえもんさんによって信州に寒天の製造技術が伝えられました。
平林さん
平林さん

小林粂左衛門こばやしくめざえもんは、丹波(現在の京都、兵庫辺り)で寒天の製造法を学びました。ところてんが夜中の寒さで凍り日中の日差しで溶けて水分が抜ける、この繰り返しで寒天が作られるため、【①昼と夜の温度差が激しい】【②空気が乾燥している】環境が必要とされます。粂左衛門は、寒暖差が激しく、あまり雪が降らない南信州が寒天の製造に適していると考えました。

オブチ
オブチ
信州は海なし県・・・。寒天の原料となる海藻はどこから仕入れていたのですか?
はじめは大阪方面から買っていたようです。やがて信州から近い伊豆から仕入れるようになりました。

さらに南信州は農業が盛んでしたが、冬は農家の手が空きがちでした。小林粂左衛門こばやしくめざえもん冬の農家の副業にぴったりだと思い南信州に伝えたようです!

平林さん
平林さん

↓昔ながらの寒天製造の風景

 

寒天を人の健康と暮らしに寄り添う文化へ 伊那食品工業の挑戦

信州の寒天づくりが大きく発展するきっかけとなったのが、1905年(明治38年)の中央本線の開通でした。これにより、原料の天草や製品の寒天を運ぶ手段が格段に便利になり輸送コストも約6分の1にまで下がり、寒天産業の成長はさらに伸びていきました。やがて寒天は信州を代表する特産品として広く知られるようになっていきました。

南信州には寒天を作っている農家さん・個人商店が沢山並び、地場産業として発展しました。しかし、天候に左右され安定した供給が難しい商品でした。そんな中、伊那食品工業さんは寒天に秘められた可能性に着目し、1958年(昭和33年)に創業します。

寒天を衛生的な環境で安定的に製造するために、工場生産に取り組んでまいりました。現在は、3つの工場があり、それぞれが異なる商品を製造しています。お客様へ安心・安全な商品をお届けするために、社員のアイディアによる改善活動も活発に行われています!
井東さん
井東さん

実際に工場生産が可能となり、全国へ安定供給できるようになったのは1964年のこと。寒天の可能性に着目し、1980年には「かんてんぱぱ」シリーズも発売されるようになりました。

寒天が安定生産できる商品になったことを知らせるために、インパクトある広告も打ち出しました。これにより、寒天は場所・時期を問わず入手できる食品として認識されるようになりました!
井出さん
井出さん

 

オブチ
オブチ
今や寒天はスーパーに行けば手軽に買える商品ですが、伊那食品工業さんの功績だったのですね

 

かんてんぱぱシリーズ最初の商品は、家庭で簡単に作れる寒天ゼリーのデザートでした。かんてんぱぱ商品に3袋入りが多いのですが、「一つは自宅用、一つはお裾分け用、もう一つは美味しいと感じていただき再度自宅で食べる分」といった、ちょっとした気配りと楽しさが込められています♪
平林さん
平林さん

その後、1989年には販売店・本社・工場がある「かんてんぱぱガーデン」がオープン。かんてんぱぱガーデンはまるで森の中のような、緑あふれる赤松林に囲まれた環境が素敵ですが、これも社員の働く環境をより良くするために建設されました。自然に囲まれた環境に身を置くことで、精神的にも豊かに仕事できるように、そんな想いが込められています。


かんてんぱぱガーデン内には地下水を汲む「水汲み場」も設置されており、地元住民の方が水を汲みにいらっしゃいます。寒天は元々、南信州の自然環境によって育まれた産物でした。かんてんぱぱガーデンでは、南信州の自然の美しさや素晴らしさを感じることができます。

伊那食品工業は、寒天とともに生き、寒天の未来を信じてきた会社です。今では全国、そして世界に向けて「かんてんぱぱ」の名が知られるようになりましたが、その背景には、地域への感謝と、日々を大切に積み重ねてきた歩みがあるのです。

 

寒天のスゴイ効果をご紹介!

1. 寒天の約8割は「食物繊維」で出来ている

寒天といえば、「健康に良い」「ダイエットに良い」などヘルシーなイメージがあります。

寒天の一番大きな特徴は「食物繊維が豊富」ということです。寒天の食物繊維含有量は、寒天100g中79g!そのほかの成分は水・ミネラルですので、ほとんど食物繊維で構成されているのです!
井出さん
井出さん


かんてんぱぱさんのサイトより抜粋

食物繊維は水を吸って大きく膨れますので、お通じの改善にも効果的です!1日5gの寒天摂取で便秘が改善すると言われています。ポイントは寒天を“いつ食べるか”ですが、食事のはじめに食べることをおススメします。糖の吸収をゆるやかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます!
井東さん
井東さん

 

<スタッフイチ推し!食物繊維を取り入れるのにおすすめの商品>

 

2. ふしぶしが気になる方へ!「アガロオリゴ糖」
かんてんぱぱには“知る人ぞ知る”製品があります。それが「アガロオリゴ糖」。アガロオリゴ糖は、特殊な方法を用いて寒天の分子を短く切ることで生成される希少な成分で、寒天をただ食べるだけでは摂取できない成分です。かんてんぱぱさんの高度な技術によってアガロオリゴ糖の製造、商品化が実現しました!

アガロオリゴ糖には、ふしぶしの健康を守るすばらしい働きがあり、抗酸化作用も期待できます。

<スタッフイチ推し!アガロオリゴ糖のおすすめの商品>


「オリゴに感謝」をずっと飲み続けていただいている年配の方から、「一時期飲むのを止めていたら、膝が痛くなってしまった。アガロオリゴ糖の効果を感じたよ!」と嬉しいお言葉をいただきました!
平林さん
平林さん
オブチ
オブチ
最近「健節ほうじ茶」を飲んでみました。味わいは流石かんてんぱぱさんの商品!香ばしくて、食事にもおやつにもよく合う美味しいほうじ茶です。

「最近ちょっと膝が気になるな…」という方や、「サプリは続かないけど、お茶なら習慣にできそう」という方にはぴったり。いつものお茶を「健節ほうじ茶」に置きかえるだけで、毎日のひと息タイムが“からだ思いの時間”に。無理なく健康習慣を取り入れる第一歩として、試してみてはいかがでしょうか?

この“目に見えないチカラ”もまた、寒天の奥深さのひとつですね。

 

商品開発秘話

かんてんぱぱさんと言えば、多様な商品ラインナップが魅力的です。社員600名のうち1割のスタッフが研究開発職に従事しているとのこと。かなり商品開発に力を入れていることがうかがえます。

オブチ
オブチ
開発の際に大切にしているコンセプトを教えてください。
創業当初から変わらないのは「簡単に美味しく楽しく、安全に食べられる健康的な商品をつくる」ということです。寒天は身体によい商品ですが、大前提として寒天を楽しく食事に取り入れてもらえるような美味しい商品として提供することが大切だと考えています。そして、注目いただきたいのがユーザビリティへの配慮。面白い工夫を施している商品があるので、この後ご紹介しますね!
平林さん
平林さん
かんてんぱぱという名前の由来には諸説ありますが、そのひとつとして「寒天を使ってパパでもぱぱっとつくれるように」という思いがこめられています。かんてんぱぱシリーズが発売された1980年頃は、お料理といえば女性がするものという風潮でしたが、パパでも簡単に作れるおやつの素というのがかんてんぱぱ開発の原点です。
井東さん
井東さん

ここでいくつか、かんてんぱぱ商品を食べる際に知っていると楽しい知識をご紹介します。

①かんてんぱぱシリーズで注目していただきたいのは「食感」

取材中、平林さんが作って下さったおやつを食べました!牛乳寒天とクレームブリュレです↓💛

商品によって、使う寒天の種類や固さを調整しています!
平林さん
平林さん
オブチ
オブチ
おいしい!牛乳寒天はしっかり固めですね!牛乳の味わいを感じながら寒天らしい食感も楽しめます。クレームブリュレは、口の中でとろけますね。

家庭で簡単に作れるのに、本格的な味わいが楽しめるのが嬉しいですね。かんてんぱぱ商品を召し上がる際には、食感にも注目してみてください。

 

②親子で楽しめて、片付け楽ちん!『こねるdeポン!』

最近平林さんが開発に携わったというこちらの商品。洗い物を減らすため、袋の中で調理が完結する工夫がされております!

私も家で作ってみました。めちゃくちゃ簡単!もちもちしていて、味はほんのりチーズの効いた本格的なパンをつくれました。

かんてんぱぱさんでは春夏・秋冬ごとに1~2商品ずつ新しい商品がリリースされています。気になる方はかんてんぱぱショップを覗いてみてください!

 

③ごはんシーンで活躍するかんてんぱぱ商品

かんてんぱぱでは、グループ会社ぱぱな農園の「野沢菜漬け」を利用した「野沢菜ラー油」を通年販売しています。

元々はかんてんぱぱショップ限定商品でしたが、好評につき現在はオンラインショップでもお買い求めいただけます!ごはんのおともに是非お試しください。
井東さん
井東さん

 

ごはん商品でもう一つご紹介したいのが、ごはんに寒天寒天入り雑穀米

実は、寒天とごはんには深い関係があるのです。ご飯を炊く時に寒天を一緒に入れると、ふっくらと炊き上がるという嬉しい効果があります。その特長に着目したのが「ごはんに寒天」という商品です。冷凍したご飯を温め直しても、寒天の力でパサつかずふっくらとした美味しさを楽しめます。また、雑穀米を寒天配合のフィルムで包装した「ぱぱっと雑穀米」という商品もあります。

寒天配合の食べられるフィルムで包装しているので、面倒な計量は必要ありません。フィルムは炊飯時に溶けてなくなるので、ゴミにならない環境に優しいエコフィルムです!
平林さん
平林さん
こうした細かい心配りに心温まります。そして家事をラクできて嬉しい!

かんてんぱぱさんは、お客様の生活に寄り添い、誰もが安心して簡単に、健康的に楽しめる食品を作っています。

 

かんてんぱぱガーデンの健康パビリオン

かんてんぱぱガーデンには、健康パビリオンというブースが設置されています。健康パビリオンでは、成年者向けのからだ年齢や運動能力などを気軽にチェックできます。約200種類の寒天製品を販売するかんてんぱぱショップも併設しています。下記の項目を無料測定できますので、測定されてはいかがでしょうか。

豊富な健康測定コンテンツ↓

■ 血圧測定
■ 反復横跳び(20秒間)
■ ウォーキング体験
■ 長座体前屈
■ 跳躍力測定
■ 握力測定
■ 視力検査
■ 脳年齢測定
■ 食生活診断
■ 肌年齢診断

 

脳年齢測定とお肌年齢チェック↓ 辛口判定とのこと、、心して測ってください😢

普段の夕食の栄養バランスを確認するカロリンピック。かわいい食品サンプルが並び、見ているだけでも楽しいスペースです!

反復横跳び。息切れ必至です、、

 

編集後記

今回の取材で「かんてんぱぱ」さんの商品に改めて触れ、思い出したのは、子どものころ家族で寒天ゼリーを手作りした記憶でした。あの頃に味わったやさしい甘さと一緒に、家族との何気ない会話や笑い声までよみがえってきました。

今では当たり前になっている“食品の安全性”や“手軽さ”ですが、それが当たり前になるまでには、企業のたゆまぬ努力と工夫があります。伊那食品工業さんは、そんな“当たり前”を静かに、誠実に支え続けてきた会社だと感じました。

簡単に、楽しく、しかも安心して手作りできる寒天食品。その背景にある真摯なものづくりの姿勢に、深い敬意を抱かずにはいられませんでした。

子どものころの記憶と、今の暮らしがつながる。そんな出会いをくださった「かんてんぱぱ」さんに、心から感謝します。

———
どうしても紹介したいので最後に失礼します。私のおすすめ商品です。

さくさく寒天 あおさ醤油

<商品紹介>
寒天をそのまま食べる!?新感覚のスナック寒天
1袋で食物繊維が6.7g摂れる!

すぐに食べられるのでちょっとしたプレゼントにもぴったり♪
あおさの風味と醤油が香る新食感のスナック寒天です。
ノンフライで独自製法のサクッと軽やかな食感は食べだしたら止まらない!
さらにアーモンドとカシューナッツは素焼きのものを使っており、素材本来のうま味をお楽しみいただけます。
ダイエット時のおやつやお酒のおつまみにもどうぞ。
持ち運びにも嬉しい便利なチャック付きパッケージ!

この寒天スナックが美味しすぎます。食感が新感覚で、唯一無二で、サクサクしてて美味しいです。これはぜひお試しください!

※記事内の商品価格は2025年4月時点のものとなります。

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