

こんにちは。
皆さんには、ご褒美として行くレストランはありますか?
私は先日見つけました!✨
それが、長野駅から徒歩5分ほどにお店を構える『restaurant SUIU』さん。
SUIUは、シーズンごとにメニューの変わる9品のコースを愉しめるレストラン。季節を反映したような繊細な世界観を楽しめます。
「食を通じて季節を感じる」という贅沢な体験ができ、美味しいお料理で心まで満たされる気持ちになりました。
今回はSUIUの想いやお料理へのこだわりを教えていただきました。
ぜひ最後までご覧ください!
【今回お話を伺った素敵な信州人】
(右)
『restaurant SUIU』『restaurant toeda』
オーナー・エグゼクティブシェフ
戸枝 忠孝さん
フランスの星付きレストランで修行を積み、帰国後、大阪、東京、軽井沢の名店を経て、2011年軽井沢に自身の名を冠した「toeda」をオープン。信州の食材とフランス料理の技法を融合させた一皿で、全国の美食家を魅了し続けています。30年近いキャリアで培った技術と哲学を次世代へ継承する事を目的に、SUIUの料理とペアリング、空間を作り上げています。
(中央)
『restaurant SUIU』 シェフ
小林 弘幸さん
戸枝シェフとの10年来の縁から、自身初となるSUIUのシェフを担当。戸枝シェフからも料理に対するひたむきな姿勢を厚く信頼されています!戸枝シェフのスキルやロジックを吸収しながら、信州食材の新たな可能性を日々模索しています。
(左)
『restaurant SUIU』 サービス・ペアリング・パン
小林 千鶴さん
千鶴さんの持つ温かで柔らかい空気感は、レストランでつい緊張しがちなゲストの心を優しく解きほぐしてくれます!前職のパン職人として培った繊細な味覚を活かし、美味しい料理を引き立てる最高のペアリングを提案してくれます。
◎取材を行った場所
restaurant SUIU
住所:〒380-0822 長野県長野市鶴賀南千歳町860−24 1F
カウンターの全6席のお店。建築もお好きな戸枝さんが、これまでに訪れたレストランの記憶をたどり店舗のデザインを考案しました。目の前に広がる、ステージのような広々としたオープンキッチンは、日本の伝統的な寿司屋のカウンターを着想を得たそう。寿司屋の「カウンターで寿司を握ってすぐ食べる」というエンターテインメント性を、取り入れたいというこだわりがありました。座りやすい国産の椅子や、お料理を美味しく見せる照明など、隅々までこだわったインテリアも必見です!
SUIUでは、シーズンごとに変わる9品のコース料理とペアリングが提供されます。すべて信州の季節らしさを詰め込んだコースとなっており、すべての料理に信州食材が使用されています。メインから副菜まで魅力を余すことなく味わうことができます!
冬はクリスマスやお正月など華やかなシーズン。きらびやかな照明や明るい音楽が街を彩りますが、そんな風景を映したようなメニューでした。
ここで3シーズン目のお料理をちょっとご紹介! (2025年12月-2026年2月)
全メニューをご紹介したいところですが、ぜひ現地で感動を味わっていただきたいのでコースの一部をご紹介します。
・「ミマキチーズ/ビーツ/シャインマスカット」
ボスケソチーズラボのミマキチーズで作り上げたムースにビーツをコーティングした一皿

<こだわり✨>
◎ボスケソチーズラボのミマキチーズを使ったババロア
佐久穂町黒澤酒造の蔵付き乳酸菌で発酵させ、熟成させたミマキチーズで作った、濃厚なババロアにビーツのジュースをコーティングし華やかな彩りを添えています。
◎信州産シャインマスカット
ムースの下には、信州産のシャインマスカットを贅沢に使用。あえて非常に薄くスライスすることで、チーズの濃厚な味わいと果実の爽やかな酸味・甘みが、口の中で完璧に溶け合うよう計算されています。
◎林檎とセロリのソース
ソースには、信州産リンゴの清涼感ある甘みにセロリのアクセントを加え、ジューサーでフレッシュに仕上げたものを使用。仕上げの自家製ハーブオイルが、チーズの香りをより一層引き立てます。
【ペアリング】戸塚酒造龍GIN/ザクロ/ハーブ
お料理のテーマに合わせ、信州の酒造りの精神が息づく一杯をご用意しました。

佐久市岩村田の戸塚酒造が、御代田町の蒸留所で作るクラフトジン(龍GIN)をベースにしています。酒蔵ならではのこだわり酒粕をアクセントにほのかな甘みも感じるジンに自家製ザクロシロップとハーブティーを組み合わせた華やかな1杯。
・写真上「天然酵母パン/キノコ」 写真下「海老/華梓/コンソメ」
10年以上小林さんが育ててきた天然酵母を使用したパンと信州さんキノコのペースト、海老の旨みを余す事なく抽出したスープのコンビネーション。
<こだわり✨>
◎天然酵母とキヌアのパン
10年もの間、大切に継ぎ足されてきた天然酵母を使用したパン。卵とバターを贅沢に練り込んだリッチな生地にスーパーフードの「キヌア」をと共に焼き上げました。表面のカリカリした食感と中のふわふわとした質感のコントラストが楽しめます。
◎キノコのペースト
パンの風味をさらに引き立てる、農耕なキノコのペースト。
◎海老のラビオリとキノコのスープ
旨みの強い海老をムースにし、信州産の小麦粉「華梓」で作った生地で包んだラビオリです。
付け合わせには「はなびら茸」を添え、和出汁にキノコのエッセンス、そして、海老の殻から抽出した自家製海老オイルを加えた、香り高いスープを仕上げました。
【ペアリング】コアントローとウニクムの黒烏龍茶割り
スパイスや薬草の香りを活かし、海老やキノコの強い旨味に負けない個性的な一杯をペアリング。

オレンジピールから作られるフランスのリキュール「コアントロー」と、ハンガリーの伝統的な薬草酒「ウニクム」を合わせた一杯。
養命酒にも似た独特のハーブの香りが、海老の濃厚な味わいを引き立てます。ベースを黒烏龍茶で割ることで、薬草の個性を活かしつつ、後味はすっきりと。
・「信州サーモン/エリンギ/米」
佐久穂町・八千穂漁業で育てられた高品質な「信州サーモン」を主役に、食感の楽しさを追求した一皿です。
<こだわり✨>
◎信州サーモンとライスペーパーのフリット
一度マリネした信州サーモンをほうれん草で包み、さらに米粉のシートで巻いてから香ばしく揚げ焼きに。
◎サバヨンソース
卵黄をかき立てた温かいマヨネーズのようなソース「サバヨン」を添えております。ケーパーやディルの爽やかさに加え、隠し味のカレー粉が深みを与えます。
◎ジャンボエリンギのコンフィ
信州産のジャンボエリンギをグリルした後、ハーブと共に低温のオイルでじっくりコンフィに。弾力のある食感がサーモンの柔らかさを引き立てます。
【ペアリング】西飯田酒造菊の酵母の日本酒とサーモンの皮のフライ

長野市篠ノ井の西飯田酒造では県内で唯一、花酵母を使用しています。今回は菊の酵母を使った日本酒で、ふわっと優しい風味がしました。そして、お料理にも登場した信州サーモンの「皮の部分」を長時間乾燥させたフライがとても美味でした。手間をかけて作られた一品です。
・メイン 北海道産ジャージー牛のヒレ肉と南仏郷土料理風パイ
メインディッシュには、希少なジャージー牛のヒレ肉を、南仏の郷土料理をアレンジしたパイと共に。ジャージー牛は通常食用で出回ることはほとんどなく、食用牛肉の2%ほどとのこと!柔らかく、優しい旨味のあるお肉です。

<こだわり✨>
◎ジャージー牛のヒレ肉
低温調理でしっとりと火を入れた後、仕上げに焦がしバターで表面をさっと焼き上げ、香ばしさを纏わせました。
◎ピサラディエール風パイ
南仏料理の「ピサラディエール」をアレンジし、パイ生地の上に飴色玉ねぎ、刻みトリュフ、トマト、オリーブを乗せて焼き上げました。
◎小玉ねぎ(ペコロス)のピクルス
ニンニク風味のクリームチーズとペコロスを合わせアボカドオイルで風味付けした、遊び心あるお口直し。
・デザート(2品ありますが、そのうち1品をご紹介!) 抹茶とクリームチーズのベイクドチーズケーキ
コースの締めくくりは、華やかな冬の様子をイメージしたデザート。色彩豊かな3層のコーティング、雪のようなホワイトチョコの見た目も美しい💛
<こだわり✨>
◎抹茶とクリームチーズのケーキ
濃厚な抹茶とクリームチーズを焼き上げたベイクドケーキ。
◎ビオ・ホワイトチョコとフランボワーズ
フランス産のビオ(有機)ホワイトチョコレートのムースで包み込み、さらに表面を木苺(フランボワーズ)のピューレでコーティング。程よい酸味が全体を軽やかにまとめます。
【ペアリング】軽井沢産のブルーベリーを使ったリキュールに抹茶の泡を添えて

軽井沢産無農薬ブルーベリーを漬け込んだリキュール。実は世界の最先端の全房方式(果実・枝・葉も含めた方式)を用いて自然の風味を閉じ込めているとのこと!甘いブルーベリーに軽やかな渋みが合わさった唯一無二の味わいです。抹茶のほろ苦い泡がスペシャルマッチ。甘いデザートによく合います。
戸枝さんは、長野の食材と向き合い続けて20年。そこには、信州食材への愛と、生産者との深い信頼関係、食文化に対する熱い想いがありました。
東京には日本中から最高の食材が集まるという魅力がありますが、長野は「海の幸以外の一通りの食材」がこの場所で揃い、何より生産者さんとの距離が近いのが魅力だと語ります。
長野の生産者は個性が豊かで、魅力的な方ばかりなのだとか。戸枝さんは、年に一度は必ず生産者さんのもとへ足を運び、直接対話を重ねているそうです。
戸枝さんはSUIUを通じて、街の食文化を育んでいく挑戦をしたいとおっしゃいます。
SUIUがきっかけとなって街のフレンチレストランが盛り上がり、食のリテラシーが上がること。そして、若い料理人が「ここでなら自分たちも挑戦したい」と思えるような街にすること。そんな良い循環をSUIUから作りたいと戸枝さんは語ります。
SUIUの入口に記された「32/1」という不思議な数字。実は、この店は32シーズン後にクローズするという明確な終わりが設定されています。
SUIUの32シーズン後の目標は「この店を8年後に長野市で一番のフレンチにする」こと。
それが実現したとき、厨房に立つ小林シェフは、長野市で一番のシェフになっているはず。そんな夢も込められています。
小林さんと戸枝さんの出会いは約10年前。偶然訪れた戸枝さんのお店で、その味とガストロノミーという新たな世界観に感動したのがきっかけでした。それ以来、「練習させてください」と夜中の仕込みを手伝いに行くなど、師弟の関係が始まります。
これまでカジュアルなレストランでの経験が長かった小林シェフにとって、本格的なガストロノミー、そしてお客様の目の前で仕上げを行う「カウンター」という舞台は大きな挑戦でした。
そして、SUIUのお楽しみメニューがシーズンごとに変わる「パン」。このパンは千鶴さんが作られています。前職のパン職人時代に培った「お酒に合うパン作り」の経験を、SUIUのパン作りとペアリングに昇華させています。
↑3シーズン目(冬)のパン
小林さんに今後の目標を伺いました。
信州の美しい季節を切り取るコースメニュー、
感動を提供してくれるカウンター、
ガストロノミーの追求、
生産者と対話する戸枝さんの姿、
特別な日にお会いしたいと感じる、小林夫妻の魅力
32シーズンという限定された時間の中にありますが、SUIUでの食事は新鮮で、忘れられない感動を与えてくれます。
ぜひ記念日の食事はrestaurant SUIUへ!
特別な人や日ごろの感謝を伝えたい人といらっしゃってはいかがでしょうか。