2020.07.08
前回のお話:第1座 燕岳(1) ~北アルプスへの挑戦
早朝4:30頃。
ほぼ不眠状態で燕岳ふもとの温泉地中房温泉登山口に到着。季節は9月、まだほの暗い登山口からヘッドライトをつけたベテラン勢がさっさと出発していく中、私はおもむろにインソールMAMETTAIを自分の登山靴にフィットするようミニナイフでサイズ調整をはじめました。
周囲の登山者の「え、今それ?」的な微妙な視線を受け止め、前夜コンビニで買ったおにぎりをお腹に入れて、トイレを済ませ、準備が整ったのはすっかり夜も明けて明るくなってきた5:30頃。
中房温泉登山口
ちなみにヘッドライトは早朝着や泊まりに関わらず、必ず持参すべき超必須アイテムです。山登りはいつでもどこでも遭難の可能性はつきものです。万が一、誰ひとりいない山で夜を過ごすことになったときに、あるとないとでは安心感や危険軽減度が大違いです。日帰りでも必ず持ち歩きましょう。あと替えの電池もセットで必須です。
話はそれましたが、そろそろ私も出発します。
簡単に燕岳について紹介します。
<燕岳(つばくろだけ)>
飛騨山脈(北アルプス)にある標高2763mの山。日本二百名山及び新日本百名山。山自体の美しさと山頂からの展望の良さが人気の燕岳。登山道はよく整備されており、多くの登山客が訪れる。夏に咲くかわいらしい高山植物のコマクサも人気のひとつ。
所要時間目安:中房温泉登山口⇔燕岳 登り:約6~7時間・下り:4~5時間(休憩含む
休憩所…合戦小屋、燕山荘など
道中は定期的に休憩スポット(第一ベンチ・第二ベンチ・第三ベンチ・富士見ベンチ・合戦小屋)があるのでペースを整えやすく、整備されているので比較的登りやすいですが、標高差は1300mとそこそこあります。
ちなみに登山開始から5時間くらい経過し有人休憩所合戦小屋を越えて、山頂まであとちょっと、のところにある合戦尾根が「北アルプス三大急登」の1つといわれています。山頂目前の急登は“登山あるある”ですが、ここがキツイ理由は、長い登りのゴール手前でHPが減っていることと、頂上付近にある赤い屋根の山荘「燕山荘」がかなり手前から見えるのですが、遠くからでも目立つばかりに、なかなか近づけない山頂マジックが起こっていることだと個人的には思います。
見えているのになかなかたどり着かない燕山荘を目指して、急登を登りきると、それは素晴らしい景色のご褒美に出会えます。
私はこの景色を見て「一生写真でしか見ることはないと思っていた景色が目の前にあること」に衝撃を受けました。
感動してただ見つめていた…、わけもなく小一時間さんざ同じような写真を撮りまくりました。どう撮っても素敵なので映え度がすごい。
ただし、そこはまだ燕岳山頂ではありません。燕山荘に着いたところです。
その日は燕山荘に宿泊予約していたので、本来なら重たいザックは山荘に預けて空身(必要最低限の荷で行動すること)で燕岳に向かうと良かったのですが、疲れて頭が働かず、無駄にフル装備ずっしりで燕岳山頂へ向かいます。
燕山荘付近の眺めも素晴らしいですが、そこからまた少し登り、無事登頂できた達成感もあり、山頂は格別でした。
裏銀座と呼ばれる名峰群を見ていると、「いつかあちら側からの風景も見たいなあ」と“山に登ると別の山に登りたくなる”というループにはまり始めます。