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第1座 燕岳(3) ~ご褒美の時間

2020.07.31

前回のお話:第1座 燕岳(2) ~写真のような景色を見る

山頂スペースは狭いので譲り合いのためそこそこで下山し、燕山荘にチェックイン。

夏山ハイシーズンなので非常に混み合っており、一人一帖程度のスペースで過ごす部屋に案内されました。だいだい女性と男性と分けて同性で部屋割りしてくれるので見ず知らずの人と隣り合わせでスペースが狭くても多少安心です。男性部屋の様子はご想像におまかせしますが、体力ある男性はテントがいいと思います。(^^;)

とはいえ、燕山荘はスタッフの感じも良く、キレイで快適な山小屋です。高所にありながらよくこのクオリティを保っているなあといつも感心します。あとお土産物(Tシャツや手ぬぐい、タオルやピンバッチなど)が充実しています。

山小屋にいくとつい買いたくなる山土産。ピンバッチは山登りはじめた頃は集めてましたが、たまるだけたまって、つけるでも飾るでもないので早々に集めるのはやめました。でもたまにデザインが好みのものもあるので、山小屋に寄るとチェックするだけします。

左:昔のピッケルを思わせるシンプルなデザインのピンバッチ
右:ロープとピッケルに囲われた燕岳とコマクサのデザイン

 

話がずれましたが、表にでてまずは昼飯。
「これやってみたかったベスト2:絶景を見ながら山飯」

バーナーセットを持参したので小屋をでて表のベンチで湯を沸かしてミートソースご飯を作りました。(山小屋は基本火気厳禁の場所が多いです。小屋によっては食堂・休憩所内で火気使用許可を得て使用できる場合もあります。)

 

つづいておやつ。
「これやってみたかったベスト1:絶景を見ながらほっこりコーヒー」

燕岳~アルプス山々を眺めながら最高の一杯でした。コーヒーのおともにはお気に入りのクッキーを。今日はもう登らなくてよいという解放感と夕飯を待つだけのダラダラご褒美タイム。

 

このときだいたい15時くらい。山荘の夕飯は17時くらいなのでだいぶ時間があり、やってみたかったこと済ませたのでわりと暇です。せっかくの山頂でもったいないですが前夜の疲れもあり昼寝しました。

 

17時になると順次食堂で夕食が始まります。小学校の運動会のようにグループごと列になって食堂の前に集合します。

見ず知らずのひととテーブルを囲み、ごはんや汁物をよそい合ったり、しょうゆを渡したり。

山小屋って実家かおばあちゃんちのような雰囲気です。夕食が終盤になると、これは燕山荘だけの催しですが、唐突に山荘主人のホルンの演奏が始まります。ひとしきり吹き終わるとそしてご主人から山の切実な自然環境問題について語られます。半分神妙な雰囲気のなか夕食は終わり、それぞれ自室へ戻ります。

 

夕食終了が18時くらい。だいたい山小屋は20~21時に消灯します。小屋内は真っ暗になります。そして早寝の人の邪魔になるので小屋の中では個人のヘッドライトも必要な時だけ使用し、静かにするのがマナーです。山では早く寝て体力を回復しましょう。

しかし夜は夜のお楽しみがあります。人工光がない山頂では星空も素晴らしいものです。こっそりと小屋を抜け出し、夜空を見上げる星空好きもちらほらいます。残念ながら私は星空運が乏しく、山宿泊のとき夜は曇りが多いです。いっそ潔く体力回復のため寝ることができるという風に思うようにしています。

 

就寝20~21時くらい。雨風の心配なく寝れるのはありがたいです。狭くて隣には知らない人が寝ていますが、一日の疲れのおかげで寝れないということはめったにありません。ちなみにお風呂設備はないので、どんなに汗だくでもそのまま寝ることになります。匂いが気になる人やスッキリしたい人は寝る服と汗拭きシートを持参すると良いでしょう。

夜明け前3時半くらい。早朝出発の第一陣がごそごそと動き出します。日の出前には、朝焼け狙いの第二陣がごそごそ。日が明けるころには大抵の登山客が準備や周辺散歩でごそごそ。

 

朝ごはんは5時くらい。しっかり食べて行動に備えましょう。

 

燕岳からは常念岳や槍ヶ岳方面に縦走できますが、上級者向きの山行です。初心者の私は燕岳で十分すぎるほど満足して下山しました。

1300mをひたすら下る=膝がダメージ半端ない。下山終盤には膝がカタカタと笑いっぱなしでした。膝に不安のある人はストックを常備しましょう。登りのふんばりにも使いますが、個人的には下りのダメージ軽減に役に立ちます。

1日しかたっていないのになぜか懐かしく感じる登山口、中房温泉まで戻ってきました。温泉にゆっくりつかり、暇するくらいの余裕をもって帰りのバスを待ちました。バスの発着時間を気にしながら下ったこともありますが、かなりヒヤヒヤしました。

早出早着は山の基本です。

帰りのバスに乗ったら帰りは日曜夕方の中央道大月~談合坂あたりの渋滞にはまりながら東京へ。バスもだいたいとなり席は同性に合わせてくれるのでこれまた安心です。

こうして初めての長野の山をたっぷり堪能した私は味をしめて東京からせっせと長野の山に通いはじめるのでした。

 

※当記事は過去の山行の記録です。現在は新型コロナウィルスの感染防止対策のため、一部紹介した内容と異なる内容もあります。また、燕山荘は完全予約制、感染防止対策を講じて運営しています。ご利用の際は山荘の対策をご理解の上ご予約ください。